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第11回 神明神社と社叢(しんめいじんじゃとしゃそう)

更新日:2018年7月25日

久喜市菖蒲町上栢間には、社叢(神社の森)が埼玉県の天然記念物に指定されている神明神社があります。

神明神社は、天照(あまてらす)皇大神・豊受(とようけ)大神などを祭神とする神社で、景行(けいこう)天皇(第12代と伝えられる天皇)のときに創建されたと伝えられています。江戸時代には、領主の初代内藤正成(まさなり)をはじめ、歴代の内藤家の当主に保護され、栢間村を含めた5ヶ村(戸ヶ崎村、三箇村、新堀村、小林村)の総鎮守(そうちんじゅ)として人々の厚い信仰を集めていました。

また、神明神社では、毎年1月中旬にオヒタキ、筒粥(つつがゆ)の神事が行われています。オヒタキとは、鎮火祭(ちんかさい)のことで、筒粥の神事は、このオヒタキの残り火で米と節のない筒状の葦(あし)を一緒に炊き、筒の中に入った米粒の数で作物の豊凶(ほうきょう)を占います。占う作物は、大麦・小麦・早(わせ)稲・中(なかて)稲・晩(おくて)稲・粟(あわ)・稗(ひえ)・きび・大豆・小豆・大ささげ角豆・木綿・麻・芋・菜種・蚕・桑の17種類で、結果は社殿(しゃでん)に貼り出されます。

この神明神社の社叢は、埼玉県東部低地の自然植生をよく示す貴重な自然林として、昭和52年に埼玉県の天然記念物に指定されました。

社叢の広さは約1.74ヘクタールで、500メートルを超える参道林と境内林から構成されています。境内林は、高木にはアカシデが多く、低木にはヒサカキ、シロダモ、エゴノキ、アズマネザサなど、おおよそ47種類の植物が生い茂っています。このうち、ヤブニッケイ、ウワズミザクラは希少な植物とされています。現在、社叢に生える主な樹木は、アカシデとなっていますが、本来の社叢の樹木はヒサカキ、サカキが主となるシラカシ群の自然植生であったようです。

神明神社の参道入り口には鎮守の森公園(駐車場あり)があります。車でお越しの際は、こちらの駐車場をご利用ください。また、公園付近には、全長100メートルを超える天王山塚古墳(てんのうやまづかこふん)(県指定史跡)もあります。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

写真 神明神社の社叢
神明神社の社叢

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