第52回 埼玉県選定重要遺跡鷲宮神社境内遺跡(わしのみやじんじゃけいだいいせき)(堀之内遺跡(ほりのうちいせき))
更新日:2016年3月23日
鷲宮一丁目にある鷲宮神社は、鎌倉幕府によって編さんされた歴史書「吾妻鏡(あずまかがみ)」の中にたびたび登場する由緒ある神社です。
鷲宮地区の辺りは土地が低く、鷲宮神社境内も自然堤防と考えられていて、鷲宮神社境内遺跡、通称「堀之内遺跡」の発掘調査が行われる前までは、鎌倉時代より前の遺跡があるとは想定されていませんでした。
鷲宮神社境内遺跡は、昭和37年(1962)と昭和59年(1984)の二回に分けて発掘調査が行われました。
昭和37年の調査では、縄文時代前期(約6000年前)・後期(約4000年前)・晩期(約3000年前)、古墳時代前期(約1700年前)・中期(約1600年前)・後期(約1500年前)の痕跡が発見されました。
また、縄文時代前期の方形の住居跡(じゅうきょあと)一軒、同後期の形状不明の住居跡一軒、古墳時代後期の隅丸方形(すみまるほうけい)の住居跡(カマド有り)一軒などが見つかりました。さらに、縄文時代の土器、土偶の脚部や石器、古墳時代の土師器、須恵器(すえき)や土玉(どだま)(投網(とあみ)の網に付ける錘(おもり))などが出土しました。
この発見によって、この地が自然堤防ではなく、関東ローム層の台地であることが明らかとなりました。そして、遺跡の重要性から、昭和51年(1976)に、埼玉県の重要遺跡に選定されました。
昭和59年には二回目の調査が行われましたが、この時は縄文時代・古墳時代の痕跡は発見されずに、近世の溝が発見されただけでした。
年末年始に毎年多くの参拝者が訪れる鷲宮神社は、歴史的にもまだ謎が多いところです。皆さんも新しい魅力を発見してみてください。
鷲宮神社境内遺跡出土 土師器
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